<概要>
油入変圧器における流動帯電現象は、固体絶縁物と絶縁油の劣化状態に相関があると考えられる。しかし稼働中の変圧器から固体絶縁物を採取することは困難であり、固体絶縁物の流動帯電への影響評価は、容易ではない。
著者らは、これまで巻線絶縁紙やプレスボードなどのセルロース系固体絶縁物から剥離し、絶縁油中に浮遊しているセルロース繊維(油中繊維)を用いた節煙しの経年劣化度診断手法について検討を行ってきた。本研究では、この技術を応用し、油中繊維を固体絶縁物として用い、変圧器から採取した絶縁油と油中繊維における電気発生傾向から、稼働中変圧器の流動帯電を評価する手法の検討を進めている。
本報告では、油中繊維による流動帯電評価のための基礎的検討として、絶縁油および絶縁紙の劣化による電化発生への影響について検討した結果を報告する。
2017年3月に開催された平成29年電気学会全国大会にて発表。
タイトル:
「油中繊維による流動帯電・帯電度評価診断方法の開発(その2)」
著者:
小西義則, 佐藤学, 長谷川真之(ユカインダストリーズ)
守口聡一, 杉本敏文, 吉田昌展(中部電力)
<関連発表>
油中繊維による流動帯電・帯電度評価診断方法の開発
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