<概要>
油入変圧器に使用されている巻線絶縁紙は、熱および水分によって劣化が促進されることが知られている。そのため、変圧器内で最も温度が高くなると予想される巻線上部絶縁紙の水分吸湿状態を把握することが劣化診断を行う上で重要である。しかし稼働中の変圧器から絶縁紙を採取し、水分量を把握することは、通常困難であるため、タンク上部から採取した絶縁油中の水分量と絶縁紙-絶縁油管の水分運平衡関係から間接的に巻線上部絶縁紙中水分量を推定する手法が検討されている。
絶縁紙-絶縁油間の水分平衡関係は温度により変化する。温度分布がある稼働中変圧器内では、部位ごとに紙の水分量が異なり、さらに温度分布による絶縁油の対流もあるため、絶縁紙-絶縁油間の水分は非平衡な関係になっていると考えられる。したがって、タンク下部のドレインバルブから採取した絶縁油中の水分量は、実際に推定したい巻線上部付近の油中水分量とは異なっており、非平衡な関係を考慮した解析が必要である。
そこで、本検討では、変圧器内の絶縁油の対流と絶縁紙-絶縁油間の非平衡な関係を考慮した解析により、絶縁紙中水分量を推定する計算手法を検討し、本研究のために製作したモデル変圧器内の水分分布を推定した。
2016年9月に開催された平成28年電気学会電力・エネルギー部門大会にて発表。
タイトル:
「油入電気機器の巻線絶縁紙中水分量水推定手法」
著者:
小西義則, 佐藤学(ユカインダストリーズ)
村上純一, 八重樫裕司(東北電力)
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