<概要>
油入変圧器に使用されている絶縁紙中の水分は絶縁紙の劣化を促進することが報告されており、絶縁紙の水分吸湿状態を把握することは劣化診断を行う上で重要である。前報では恒温槽を用い紙-油間温度一定の系で実験を行った。実際の変圧器では巻線で発生した熱は油に伝わり、油に伝わった熱は容器外の外気により冷却されるため巻線と油との温度差が10℃~20℃生じると言われている。実器巻線においては、銅線にテープ状の絶縁紙が数重に巻かれていることから絶縁紙の巻厚さ方向にも温度勾配があり、絶縁紙中に水分分布があると考えられる。そこで、本稿では絶縁紙に温度勾配がある場合の紙中水分分布を検討したので、概要を報告する。
平成21年電気学会全国大会(2009年3月)にて発表。
タイトル:
「紙-油間水分平衡における絶縁紙巻厚さ方向の温度および水分分布」
著者:
中塚 俊, 早坂充弘(東北電力)
佐藤祐, 小西義則(ユカインダストリーズ)
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