【口頭発表】耐熱紙の基礎物性に関する研究Ⅰ:熱劣化による吸湿特性と引張特性の変化

<概要>
近年、変圧器の耐熱性向上のため普通紙に代わり、化学処理により耐熱性を向上させた耐熱紙を用いた変圧器の普及が進みつつある。耐熱紙は耐熱性を付与する目的でアミン系化合物(ジシアンジアミドなど)が添加されており、このアミン系化合物はセルロース分子の活性点(ヒドロキシル基)間を架橋(硬化)することで耐熱紙に耐熱性を付与する。この活性点は水分吸着点であるため、耐熱紙の水分吸着点は普通紙に比較して少なく、耐熱紙の吸湿特性は普通紙と異なると考えられる。しかし、吸湿特性が実際に普通紙とどの程度異なるのか、また劣化の進行した際の水分吸着量の変化に関する知見は十分ではない。さらに、耐熱紙はセルロース分子間が架橋されているため、紙の引張特性(引張強度・破断ひずみ)も普通紙と異なると考えられる。
本検証では、耐熱紙の熱劣化時の吸湿特性および引張特性の変化を明らかにし、耐熱紙の劣化診断をする上で普通紙との特性の債を考慮することの要否、また耐熱紙劣化基準の妥当性を検証する基礎データ取得を目的とした。

2022年6月10日に開催された石油学会第42回絶縁油分科会研究発表会にて発表

タイトル:
「耐熱紙の基礎物性に関する研究Ⅰ:熱劣化による吸湿特性と引張特性の変化」
著者:
後藤隆行, 小西義則, 佐藤学(ユカインダストリーズ)
中島恵一, 斎藤文人, 千葉公一郎, 的場大(富士電機)

関連研究発表
・耐熱絶縁紙の経年劣化指標に関する検討
・耐熱紙使用変圧器の劣化診断に関する探索

詳しい内容については、当社営業部までお問合せください。

お問い合わせ

ユカインダストリーズへのお問い合わせ・資料請求のご依頼は、お電話もしくはメールフォームより承っております。 お気軽にお問い合わせください。

03-5741-1721(営業部)

お問い合わせ受付時間:8:30~17:30
定休日:土・日・祝日

関連記事