<概要>
変圧器のコイルに使用される電気絶縁紙の引張強度は、粘度法により求められたセルロースの平均重合度DP(粘度平均分子量)を指標として解析が行われてきた。しかし、材料の物性には分子量分布も強く影響することから、平均分子量だけではなく、分子量分布と併せて評価されるべきである。そこで、著者らは電気絶縁紙の分子量分布をサイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、電気絶縁紙の引張強度に及ぼす分子量分布の影響について検討した。その結果、絶縁紙の寿命とされるDP450前後(重合度残率60%)で分子量分布が大きく変化し、また分子量分布から算出される数平均分子量が電気絶縁紙の引張強度特性を最も良く表していた。
電気学会 電力・エネルギー部門大会(2014年9月)にて発表。
タイトル:
「電気絶縁紙の引張強度に及ぼす分子量分布の影響」
著者:
佐藤学, 小西義則, 太田延幸(ユカインダストリーズ)
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